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アライズ第3ビル
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診療と新薬 2018;55(11):833-852
献血グロベニン-I 静注用川崎病 製造販売後調査結果:安全性,有効性および治療の実施状況について
荒川真
日本製薬株式会社 信頼性保証部 医薬学術グループ
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):833-852
診療と新薬 2018;55(11):833-852
献血グロベニン-I 静注用川崎病 製造販売後調査結果:安全性,有効性および治療の実施状況について
荒川真
日本製薬株式会社 信頼性保証部 医薬学術グループ
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):833-852
「川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)」に献血グロベニン-I静注用が投与された患者を対象として,2014年12月~2017年3月に自主的な製造販売後調査を実施し,本剤の安全性,有効性および川崎病治療の実施状況について調査した。
本調査において158医療機関から1,471例を収集し,1,467例を安全性評価対象症例,1,422例を有効性評価対象症例として評価した。
安全性評価対象症例における副作用発現率は4.57%(67/1,467例,88件)であった。重篤な副作用発現率は0.55%(8例/1,467例,10件)であり,その種類は,アナフィラキシー反応が2件,低ナトリウム血症,無菌性髄膜炎,房室ブロック,心膜炎,洞性不整脈,胸水,好酸球増加と全身症状を伴う薬物反応(薬剤誘発性過敏症症候群),血圧低下が各1件であった。
有効性評価対象症例のうち本剤投与開始30日後(または30日以内の退院時)の「冠動脈病変の発生率」が評価できた1,215例における発生率は1.65%(20/1,215例)であり,巨大瘤の発生はなかった。また,本剤投与前の冠動脈所見にかかわらず,「冠動脈病変の残存率」が評価できた1,451例における残存率は2.69%(39/1,451 例)で,巨大瘤の残存率は0.07%(1/1,451例)であった。
有効性評価対象症例において各治療Lineの本剤投与開始から48時間以内に解熱した症例の割合を治療Line別に評価したところ,1st Line治療は78.1%(1,076/1,378例),2nd Line治療は77.1%(175/227例),3rd Line治療は80.0%(8/10例)であり,治療Lineにかかわらず約8割の症例で解熱が得られた。
本調査における副作用発現率,冠動脈病変の発生率および残存率,48 時間以内の解熱率は,いずれも日本製薬株式会社が過去に報告した川崎病の調査結果報告と大きな差はなく,現在の治療環境において本剤の安全性,有効性が確認できた。
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診療と新薬 2018;55(11):853-860
フリウェルⓇ配合錠ULD「サワイ」の健康成人における生物学的同等性試験
田中孝典 1),木綿梢里 2),木曽達也 2),大西明弘 3)
1)医療法人相生会 にしくまもと病院,2)沢井製薬株式会社 開発部,3)東京慈恵会医科大学 臨床検査医学
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):853-860
診療と新薬 2018;55(11):853-860
フリウェルⓇ配合錠ULD「サワイ」の健康成人における生物学的同等性試験
田中孝典 1),木綿梢里 2),木曽達也 2),大西明弘 3)
1)医療法人相生会 にしくまもと病院,2)沢井製薬株式会社 開発部,3)東京慈恵会医科大学 臨床検査医学
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):853-860
ジェネリック医薬品のフリウェルⓇ配合錠ULD「サワイ」と先発医薬品であるルナベルⓇ配合錠ULDとの生物学的同等性を検証するため,日本人閉経後健康女性を対象に絶食下単回投与による2剤2期のクロスオーバー試験を行った。
治験薬投与後48時間までのノルエチステロンとエチニルエストラジオールの血清中濃度を測定し,各有効成分の血清中濃度-時間曲線下面積(AUCt)と最高血清中濃度(Cmax)を指標として,両製剤のバイオアベイラビリティを比較した。その結果,いずれの有効成分も,被験薬と対照薬のAUCtとCmaxの対数値の平均値の差の90%信頼区間は,「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」の基準であるlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。したがって,フリウェルⓇ配合錠ULD「サワイ」とルナベルⓇ配合錠ULDは生物学的に同等であると判定された。なお,本治験において認められた有害事象は回復が確認されており,被験者の安全性に問題はなかった。
以上の結果から,フリウェルⓇ配合錠ULD「サワイ」とルナベルⓇ配合錠ULD は治療学的に同等であることが確認された。
キーワード:ノルエチステロン,エチニルエストラジオール,配合錠,ジェネリック医薬品,生物学的同等性試験,血清中濃度,日本人閉経後健康女性
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診療と新薬 2018;55(11):862-867
糖尿病患者における配合剤に関する意識調査
亀井進太郎,佐藤雄己,炭本隆宏,津下遥香,田中遼大,伊東弘樹
大分大学医学部附属病院薬剤部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):862-867
Attitude Survey About Compounding Medicine in Diabetic Patients
Shintaro KAMEI,Yuhki SATO,Takahiro SUMIMOTO,Haruka TSUSHITA,Ryota TANAKA,Hiroki ITOH
Department of Pharmacy, Oita University Hospital
診療と新薬 2018;55(11):862-867
糖尿病患者における配合剤に関する意識調査
亀井進太郎,佐藤雄己,炭本隆宏,津下遥香,田中遼大,伊東弘樹
大分大学医学部附属病院薬剤部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):862-867
Attitude Survey About Compounding Medicine in Diabetic Patients
Shintaro KAMEI,Yuhki SATO,Takahiro SUMIMOTO,Haruka TSUSHITA,Ryota TANAKA,Hiroki ITOH
Department of Pharmacy, Oita University Hospital
糖尿病診療において,糖尿病患者の配合剤に関するニーズを明らかにすることは重要である。
2017年4~5月の間に,薬剤管理指導を実施した新規入院患者を対象に,アンケート調査を実施した。対象は285名,うち糖尿病合併者数は47名であった。糖尿病合併者は非合併者に比較し,服用薬剤数(個数)および薬の飲み忘れが多く,また薬を多いと感じていると回答した。本結果により,糖尿病合併の有無にかかわらず,服用回数よりも服用薬剤数が減少する配合剤への変更希望は多いが,配合剤の認知度は低く,薬剤師の説明が不十分である可能性が考えられた。
配合剤に関して患者に十分な説明を行ったうえで,患者個々のニーズに応じて処方することが重要であると考えられる。
キーワード:糖尿病,アンケート,配合剤,アドヒアランス
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診療と新薬 2018;55(11):869-872
日本調剤那覇中央薬局における残薬調整による服薬アドヒアランス向上および薬剤費削減
吉井佑太 1),武田訓幸 2),中居利恵 3),福岡勝志 3),弓削吏司 3)
1)日本調剤久茂地薬局,2)日本調剤那覇中央薬局,3)日本調剤株式会社教育情報部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):869-872
Improvement of Adherence and Drug Expenses Reduction by Residual Medicine Adjustment in Nahachuo Pharmacy
Yuta YOSHII 1),Kuniyuki TAKEDA 2),Rie NAKAI 3),Katsushi FUKUOKA 3),Satoshi YUGE 3)
1)Nihon Chouzai Kumoji Pharmacy,2)Nihon Chouzai Nahachuo Pharmacy,3)Educational Training & Medical Information Department, Nihon Chouzai Co., Ltd.
診療と新薬 2018;55(11):869-872
日本調剤那覇中央薬局における残薬調整による服薬アドヒアランス向上および薬剤費削減
吉井佑太 1),武田訓幸 2),中居利恵 3),福岡勝志 3),弓削吏司 3)
1)日本調剤久茂地薬局,2)日本調剤那覇中央薬局,3)日本調剤株式会社教育情報部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):869-872
Improvement of Adherence and Drug Expenses Reduction by Residual Medicine Adjustment in Nahachuo Pharmacy
Yuta YOSHII 1),Kuniyuki TAKEDA 2),Rie NAKAI 3),Katsushi FUKUOKA 3),Satoshi YUGE 3)
1)Nihon Chouzai Kumoji Pharmacy,2)Nihon Chouzai Nahachuo Pharmacy,3)Educational Training & Medical Information Department, Nihon Chouzai Co., Ltd.
日本調剤那覇中央薬局にて,平成29年10月から12月までの3カ月間に積極的な残薬調整を実施し,それによる服薬アドヒアランス向上と薬剤費削減効果について検討した。期間中,残薬調整(減数調剤)を行った症例は46例であり,この間に70種の薬剤が調整でき,薬剤費削減額は合計で1,095,800円になった。また,次回来局が調査期間外でフォローできなかった5例を除く41例全例で服薬指導の効果が得られ,39例はその後の飲み忘れはなくなった。自己判断で休薬をしている患者もあったが,こうした患者にはより詳細に服用する薬剤について説明した。
自己判断で服薬の中止と再開を数日ごとに繰り返し,再調整が必要となった1例に対しては,自己判断の危険性と服薬の重要性について理解してもらい,結果として,服薬アドヒアランスの向上に結びついた。以上より,薬剤師による積極的な残薬調整とそれに伴う服薬指導により,薬剤費削減のみならず,服薬アドヒアランスの向上・維持につながることが示唆された。
キーワード:残薬調整,服薬アドヒアランス,トレーシングレポート(服薬情報提供書),薬剤費削減
診療と新薬 2018;55(11):869-872
日本調剤那覇中央薬局における残薬調整による服薬アドヒアランス向上および薬剤費削減
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2018;55(11):869-872
Improvement of Adherence and Drug Expenses Reduction by Residual Medicine Adjustment in Nahachuo Pharmacy