東京都中央区日本橋箱崎町4-6
アライズ第3ビル
FAX:03-5643-2217
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診療と新薬 2024;61(4):233-242
酢酸亜鉛顆粒5%「サワイ」の健康成人における生物学的同等性試験
大釜陽一郎 1),小川志麻 2),佐々木啓徳 2),大西明弘 3)
1)医療法人相生会 墨田病院,2)沢井製薬株式会社 開発部,3)東京慈恵会医科大学 臨床検査医学
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):233-242
診療と新薬 2024;61(4):233-242
酢酸亜鉛顆粒5%「サワイ」の健康成人における生物学的同等性試験
大釜陽一郎 1),小川志麻 2),佐々木啓徳 2),大西明弘 3)
1)医療法人相生会 墨田病院,2)沢井製薬株式会社 開発部,3)東京慈恵会医科大学 臨床検査医学
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):233-242
ノベルジンⓇ顆粒5%のジェネリック医薬品として開発された酢酸亜鉛顆粒5%「サワイ」と先発医薬品との生物学的同等性を検証するため,ノベルジンⓇ錠50 mgを対照薬として,日本人健康成人男性を対象に2剤2期のクロスオーバー試験を行った。
各期の治験薬投与前後の血清中亜鉛濃度を測定し,投与日の血清中亜鉛濃度から投与前日(無投与)の同時点における血清中亜鉛濃度を差し引いた値(Δ血清中亜鉛濃度)を用いて両製剤の薬物動態パラメータを算出した。最終採血時点までの血清中濃度-時間曲線下面積(ΔAUCt)と最高血清中濃度(ΔCmax)を指標として両製剤のバイオアベイラビリティを比較した結果,両製剤のΔAUCtとΔCmaxの対数値の平均値の差の90%信頼区間はlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり,「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」における生物学的同等性の判定基準に適合した。なお,本治験において認められた有害事象に重篤なものはなく,すべて軽度で回復が確認されており,被験者の安全性に問題はなかった。
以上の結果より,酢酸亜鉛顆粒5%「サワイ」とノベルジンⓇ錠50 mgとの生物学的同等性が確認された。
キーワード:酢酸亜鉛,ジェネリック医薬品,生物学的同等性試験,血清中濃度,日本人健康成人男性
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診療と新薬 2024;61(4):243-253
2型糖尿病患者における実臨床下でのイメグリミンの長期使用成績
遅野井健 1),調進一郎 1),斎藤三代子 1),細谷満 1),道口佐多子 1),大渕健介 1),加藤誠 1)2)
1)医療法人健清会 那珂記念クリニック,2)埼玉医科大学 リサーチアドミニストレーションセンター
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):243-253
Long-Term Clinical Effects of Imeglimin in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
Takeshi OSONOI 1),Shinichiro SHIRABE 1),Miyoko SAITO 1),Mitsuru HOSOYA 1),Satako DOUGUCHI 1),Kensuke OFUCHI 1),Makoto KATOH 1)2)
1) Naka Kinen Clinic,2) Research Administration Center, Saitama Medical University
診療と新薬 2024;61(4):243-253
2型糖尿病患者における実臨床下でのイメグリミンの長期使用成績
遅野井健 1),調進一郎 1),斎藤三代子 1),細谷満 1),道口佐多子 1),大渕健介 1),加藤誠 1)2)
1)医療法人健清会 那珂記念クリニック,2)埼玉医科大学 リサーチアドミニストレーションセンター
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):243-253
Long-Term Clinical Effects of Imeglimin in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
Takeshi OSONOI 1),Shinichiro SHIRABE 1),Miyoko SAITO 1),Mitsuru HOSOYA 1),Satako DOUGUCHI 1),Kensuke OFUCHI 1),Makoto KATOH 1)2)
1) Naka Kinen Clinic,2) Research Administration Center, Saitama Medical University
背景:イメグリミンは最近発売された新規機序の2型糖尿病治療薬であるが,実臨床下での長期使用成績は報告されていない。そこで,今回,イメグリミンを6カ月以上使用した2 型糖尿病患者において,その実臨床成績を後方視的に解析した。
方法:2021年9月~2023年12月までに当院でイメグリミンを6カ月以上投与し,イメグリミン投与前後で他の糖尿病治療に変更のなかった患者90例を対象とした。イメグリミン投与12カ月間のHbA1cおよびグリコアルブミン(GA)の推移,および男女別,年齢別,併用薬剤別でのHbA1cおよびGAの推移,6カ月後のHbA1c 7%未満の達成率および赤血球関連項目(赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット:Ht,平均赤血球容積:MCV,平均赤血球ヘモグロビン濃度:MCHC,平均赤血球ヘモグロビン量:MCH)の変化を評価した。
結果:対象患者において,イメグリミンの開始用量は2000 mg/日が71.1%,1000 mg/日が28.9%であった。イメグリミン2000 mg/日において,HbA1cおよびGAはどちらも投与1カ月から12カ月後まで有意な低下が認められた。HbA1cは緩徐な低下推移を示し6カ月前後がそのピークとなったが,GAの低下は投与1カ月後にほぼピークに達し,その効力は12カ月後も持続した。イメグリミン投与6カ月後でのHbA1c 7%未満の達成率は50.0%と高かった。イメグリミンのHbA1cおよびGAの低下効果に男女差はなかったが,75歳未満に比較して75歳以上の方がより低下する傾向がみられ,併用薬別ではα-グルコシダーゼ阻害薬の有無に差はなかったが,DPP-4阻害薬併用なしに比較してDPP-4阻害薬併用下の方がより低下する傾向がみられた。イメグリミン投与6カ月後の赤血球数,ヘモグロビンおよびHtはいずれも有意に減少し,MCVは有意に増加した。一方,MCHCおよびMCHはどちらも有意な変化はなかった。また,イメグリミン1000 mg/日のHbA1cおよびGA低下は2000 mg/日と同程度かわずかに減弱傾向を示した。
結論:本研究では,イメグリミンを1000 mg/日から開始した患者も3割弱存在した。また,イメグリミン2000 mg/日の投与では,HbA1cおよびGAの低下効果が12カ月後も持続し,DPP-4阻害薬と併用することでより効果が増強される可能性が示唆された。このように,イメグリミンを用いた糖尿病管理は長期間にわたって有効であり,特にDPP-4阻害薬と併用することで効果が高まることが期待される。
Key words:イメグリミン,HbA1c,グリコアルブミン,DPP-4阻害薬併用,2型糖尿病
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診療と新薬 2024;61(4):255-262
一般用女性保健薬の更年期不定愁訴に対する改善効果の検証
長谷川綾郁,上杉晴香,小森園正彦
小林製薬株式会社 中央研究所
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):255-262
Efficacy of Women's Health Drugs for Menopausal Complaints
Ayaka HASEGAWA,Haruka UESUGI,Masahiko KOMORISONO
Central R & D Laboratory, Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd.
診療と新薬 2024;61(4):255-262
一般用女性保健薬の更年期不定愁訴に対する改善効果の検証
長谷川綾郁,上杉晴香,小森園正彦
小林製薬株式会社 中央研究所
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(4):255-262
Efficacy of Women's Health Drugs for Menopausal Complaints
Ayaka HASEGAWA,Haruka UESUGI,Masahiko KOMORISONO
Central R & D Laboratory, Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd.
目的:一般用女性保健薬は,女性にあらわれる特有な諸症状の緩和と健康増進を目的として以前から用いられてきた。本研究では,一般用女性保健薬の更年期不定愁訴に対する改善効果を検討した。
方法:試験は一般用女性保健薬命の母A(第二類医薬品)を用いて実施した。被験者は,4つ以上の更年期症状を訴え,簡略更年期指数(SMI)が合計40点以上の49.4±2.8歳の女性23例を対象とした。評価は,日本人女性の更年期症状評価表(CSC)を用いた。ほてり,発汗,寝付きが悪いなどの22症状について,本剤服用前,1,4,8週間後の4点を評価した。CSCの各項目における症状の程度をスコア化し,症状別スコアとした。症状別スコアの合計点を更年期スコアとし,アンケート調査による総合評価と併せて評価した。また,症状のつらさをVASスケールで評価した。
成績:更年期症状は本剤服用後早期に改善がみられ,更年期スコアは本剤服用1,4,8週間後に有意な低下を認めた。本剤服用8週間後の更年期症状の総合評価について,総合的な改善度は「やや改善」以上が72%,総合的な満足度は「やや満足」以上が76%であった。本剤服用8週間後の症状別スコアでは,22症状すべてにおいて改善がみられ,特に精神症状・自律神経失調症状に有効であった。
結論:一般用女性保健薬命の母Aは女性特有の更年期不定愁訴に対して改善効果を有することが示唆された。
Key words:婦人薬,生薬製剤,更年期,不定愁訴,自律神経